その他

資産価格(株、不動産、仮想通貨等)の価格上昇原因と下落時期

この記事を書いている時点で、実体経済の不安定さを横目に、あらゆる資産価格が上昇している?と思える状態になっています。

そこで、現状とその理由を確認するとともに、本格的な調整局面がどこでやってくるかを考察します。

資産価格の推移

最初に、各種資産(株式、不動産、仮想通貨、アンティークコイン、アート)について、価格の現状を見ていきます。

・株式

下のチャートは日経平均株価ですが、2020年4月を底にして上昇トレンドになっています。この時の安値は16,552円で直近高値は30,000円超ですから、ざっくりと見て資産価値は2倍になりました。

日経平均株価

「実体経済は良くないから株を買うのはダメだ」と考えて様子見していた人は、予想が外れて残念です。一方、「株価が上昇しているから買ってOKだよね?」と買った人は大正解。

・不動産

日本の総人口は減少に転じていますが、東京に関していえば不動産価格は上昇を続けています。

下のグラフは日経新聞記事からの引用ですが、東京23区の中古マンション価格は、2012年を底にして上昇一辺倒だと分かります。すなわち、アベノミクス相場は不動産にも波及していたことが分かります。

不動産価格

2012年以降の指数で価格が70%~80%くらい上昇しているということは、地域によっては2倍以上になっている可能性もあります。

なお、新型コロナウイルス問題が世界経済に影を落としている2020年~2021年ですが、この期間の価格上昇が特に大きいのが特徴的です。

・仮想通貨

2010年代後半に入って、世界経済のあり方を大きく変えつつある仮想通貨ですが、ビットコイン価格は大幅上昇となっています(チャートはCoinMarketCapからの引用)。

ビットコイン価格

2020年末からの価格上昇が凄まじく、100万円くらいだった価格は2021年4月には700万円になりました。

これに伴い、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の価格も概ね急上昇しています。

・アンティークコイン

アンティークコイン価格も急上昇中です。

大手の泰星コインが主宰したオークションにおいて、最も人気がある金貨の一つ「ウナとライオン」が1億円超の価格で落札されました(下はその画像です)。

ウナとライオン

【引用元】泰星コインHP

2018年当時、ウナとライオンの標準価格は3,000万円前後と言われていました。

ここで落札された金貨はグレードが高く、2018年当時の落札価格は5,000万円ほどでしたが、その価格と比べても、数年で価格が2倍になっています。

価格の急上昇ぶりが良く分かります。

・アート

アート(芸術・絵画)の世界も大盛況で、時価100万円を超えるものが跳ぶように売れる報道があります。

【リンク】時価100万円超の『現代アート』が飛ぶように売れる

しかし、下の引用部分にあるように、アートの世界で本当に成功できるのはわずかな人々ですから、どれもこれも価格が上昇してしまう現状はどこかで終わるのでは?と懸念されます。

(ミヅマアートギャラリー 三潴末雄CEO)
100万人に1人なんですよ、才能が花開く、将来“資産価値”になれるような作家たちって。それくらい厳しいものなので。

様々な分野で価格が暴騰中ということを確認したうえで、次に行きましょう。

お金はどこからやってくるか

価格が上昇するということは、高くなった価格でも買っても良いという人が大勢いることを示します。そのような人は、お金を持っています。

では、実体経済が良くない(むしろ、悪い)世界において、なぜお金がたくさんあるのでしょうか。

その理由は主に3つでしょう。各国中央銀行の資金投下、各国政府による資金投下、そしてコロナ禍のビジネスに成功した人々の存在です。

日銀の政策

世界中を見て回ると煩雑なので日銀に絞りますと、日銀は低金利政策を採用し、かつ、ETFを購入して株価を下支えしています。

現在は管理通貨制度が採用されていますから、市場に投入できる資金に上限はありません。必要とあらば、コンピュータに「ピッ」と入力するだけで、いくらでも資金を作れます(その分だけ、日銀の財務諸表で負債が増えていきます)。

こうして資金を作り、株価を支えれば、株式を持っている一般国民は含み益で潤います(年金基金等も同様)。

そして、利益確定した個人等の手元に、余剰資金が舞い込むことになります。さて、この資金をどうやって増やそうか…?と考えるときに、株式以外も含めて資金を投入しようという案が出てきます。

政府の政策

また、政府による特別定額給付金も、影響力が大きいです。日本国民1億2,000万人が全員10万円をもらったと仮定すると、その総額は12兆円になります。

算用数字で書きますと12,000,000,000,000円となり、この金額分だけ家計は一気に資金を手に入れることができました。

この10万円の使い道ですが、生活が苦しくて生活費に消えるという家計がある一方、完全に余剰金として手元に残る家計もあります。

余剰となる資金を手に入れた人は、「さて、これを元手にどうやって増やしていこうか」と検討することもあるでしょう。

下は、日銀が発表している資金循環統計(2020年第4四半期速報)からの引用で、資金過不足の推移を示します。

太い実線が家計を示しており、2019年から2020年への推移を見ますと、資金余剰がいきなり急上昇している様子が分かります。

資金循環統計

ちなみに資金過不足とは、特定の部門がその取引期間中に資金過剰主体(貯蓄超過)だったのか、それとも資金不足主体(投資超過)だったのかが分かるグラフです。

すなわち、家計部門は常に資金余剰であり、2020年は1人10万円の特別定額給付金の付与等によって余剰額が大きく跳ね上がった様子が分かります。

こういった政策が世界中で実施されていますので、家計部門の資金余剰はとんでもない大きさになっていると予想できます。

コロナ禍で大儲け

さらに、コロナ禍に適したビジネスを展開した結果、巨万の富を築いたという個人・法人も少なからず存在するはずです。

このご時世、「儲かった、儲かった!」と騒ぐと恨みを買うこと必至なので静かにしているでしょうが、国民の生活リズム急変に対応できた人々は、一気にお金を手に入れていることでしょう。

すると、そのお金の置き場所に困ることになります。

すなわち、儲けるためというよりは資金の置き場所として、何か資産に換金するというニーズが生まれます。

ここでは3つの要因を挙げましたが、ほかにもあるでしょう。こういった要因が重なって、資産価格が急激に上昇していると考えられます。

資産価格が下落に転じるとき

資産価格は、永遠に上昇してくれるのが望ましいです。価格が下落しなければ、その資産に投資した人は全員儲かってハッピーです。ところが、残念ながら資産価格は上昇しますし下落します。

そこで、今回の資産高騰はどのように終わるのか?を考察します。

既に確認しましたとおり、資産価格が上昇する理由は、その資産に新規資金が流入するからです。ということは、この資金流入が止まり、さらには流出に転じると、価格は下落すると予想できます。

この逆転がいつ起こるか?を予想するのは大変難しいですが、どうなれば逆転するか?を予想することはできます。

日銀のETF購入停止&売却

日銀のみならず、世界中の中銀が株価買い支えを停止すれば、株価上昇要因の柱が消えます。

ちなみに、政府機関があまりに多くの株式を所有してしまうと、企業は国家の所有となり、それは資本主義でなく社会主義や共産主義に近くなります。よって、どこかでゆっくりと売却を始めて調整するでしょう。

ただし、実体経済が上向きになり、株価をゆっくり売却しても悪影響がないと判断される状況になってから売るでしょうから、株価暴落は回避できるのでは?と予想しています。

しかし、これは資産価格にとってマイナス要因であることには変わりありません。

政府の増税(または支出減)

これも、世界中の政府が実施せざるを得ない項目でしょう。

例えば、2020年に実施された10万円の特別定額給付金ですが、天から降って湧いたものではありません。

これは政府が国民に支払ったお金ですが、政府は何もないところからお金を生み出す権限を持っていません(貨幣は作れますが)。

では、どうやってコロナ対策の資金や10万円×1.2億人の資金を作ったか?ですが、借金です。そして、借金は返済しなければなりません。

そして、どうやって返済する?ですが、政府支出を減らすか、あるいは増税です。

政府支出減や増税が視野に入ると、それに備えて一般家計の支出は抑制的になるでしょう。すなわち、資産に流入する資金は細くなり、あるいは逆流する可能性があります。

コロナ禍は未来永劫続くものではありませんし、中銀や政府による支出増も永続するものではありません。

このため、抑制的な政策を取る時期に備えて、「政府からもらえるものは遠慮なく(むしろ積極的に)もらっておく」姿勢が吉だと言えます。

日銀や政府が「あげるよ」と言っているときにしっかりもらっておかないと、将来いつか、「日銀や政府からもらっていないのに、より多くを税金等で取られるようになって大損だ!」となりかねません。

まとめ

以上をまとめますと、以下の通りです。

資産価格が大幅に上昇している理由は、世界中の中銀や政府が市場や家計に膨大な資金を投下しているから、そして現在の世界で大成功した人がいるから、となります。

そして、資産価格が下落に転ずる可能性があるのは、資金の流れが逆転するとき、すなわち、各国中銀や政府の運営が正常化に向けて進むときです。

ただし、これがいつになるのかは全く分からないのが、難しいところです(これが分かるなら、無理にでも投資して儲けたいです)。

-その他

© 2021 FXゆったりトレード派 second